「夕日という字が美しい」
社会科学科長 深谷信夫
大昔、学生時代に読んだ本の一節が、記憶に残っている。
「夕日という文字を、初めて習ったとき、これまで幾度も美しい夕日を眺めてきたが、その日の夕日ほど美しく思えたことはない。そして、夕日という文字の、なんと美しいこと。」(『学校なんかしるもんか/ドキュメント夜間中学』)
文字も読めず、バス停も絵として覚え、乗る路線を間違えると、歩いて戻るという生活をしていた在日のおばあちゃん。そのおばあちゃんが、夜間中学に通うなかで、文字を覚えはじめる。夕日という文字を覚えた後のつぶやきである。
文字を知り、知識を重ねていくということは、客観的な状況をつかみ、対象を自己のなかに取り込み、自己という主体をその客観的な状況のなかに位置づけることができるということであろう。そして、感動を手にすることであろう。大学で学ぶということの根本もそこにある。
さらに、学生にとって、大学は社会への通過点である。過去から現在に至る世界と日本の歴史を確認し、現在の世界と日本が抱える諸問題を認識し、大学から巣立った将来、どのような生活を、どのような働き方を選択していくのか。学生時代、なにを準備するのか。そのことを考え、行動する。
楽しい充実した学生生活を、この茨城大学で、社会科学科で送っていただきたい。
この人文学部社会科学科は、全国の大学のなかでも数少ない、社会科学の諸分野を総合的に学べる学科である。地域社会・福祉、法律、国際社会、経済学・経営という四コースのなかで、経済学、政治学、法学、社会学、経営学などの学問を学んでいくことになる。少人数教育のカリキュラムを配置し、国立大学ならではのきめの細かい教育を目指している。
この茨城大学社会科学科で学ぼうとする全国のみなさんを待っています。
















